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あなたの船は感じることが出来るようになる? CEOとのQ&A

Author
Konstantinos Kyriakopoulos
DeepSea CEO
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DeepSea Technologiesの創設者でCEOのKonstantinos KyriakopoulosとのQ&A

最近、「知覚できる」人工知能のニュースを多く目にします。 DeepSeaのAIも、近い将来知覚できるようになるのでしょうか?

センティエンスとは、感情や感覚を経験できる能力です。 機械学習のアルゴリズムは、入力と出力のペアのデータを繰り返し学習することで、入力から出力を自ら再構築する方法を学びます。 今日のAIの多くは、人間によって与えられた入力と出力についてトレーニングされます。例えば言語モデルの場合、大量のテキストデータが与えられ、それらを使って会話を再現する方法を学習します。 会話の一部を隠すことも可能で、学習したAIは、最終的にその隠された部分を正しく埋めるようになります。 AIに話しかけるか、或いは質問しようとすると、AIは、人間が次に言うまたは答える、統計的に最も尤度の高いフレーズを判断します。

感情認識、感情的な言語や画像について学習したAIに関して話を始めると、そこからは、かなり哲学的な話になります。

人間が何かを「感じる」のと類似の方法で、機械が内部表現の処理を開始した時、どの時点をもって、アルゴリズム自体が問題の感覚を本当に経験していると言えるでしょうか

以上が、知覚できるAIについての問答です。 この問答は主に哲学的な会話になりましたが、これらの神経回路網が内部からどのように機能するかを議論する素晴らしい機会でもありました。

DeepSeaのAIは、人間を対象に学習しているわけではありません。 そのAIは、船について、船のエンジンについて、そして船が動く時の周囲の環境についてトレーニングされ、洋上で学習するのです。 DeepSeaのAIは、人間の特性ではなく、こういった船舶の運航に関する要素の特性を取得します。 従って、センティエンス(知覚)は、当社の場合無関係なのです。

AIの最もクールな所は何ですか?

AIとディープラーニングのアプリケーションで最も優れた点は、その完璧なまでの柔軟性です。

これらのシステムは、学習させれば、基本的にあなたがやって欲しいことを何でもやってくれます。

ですから、何かの問題の対処から仕事を始める場合、いつでも思い付きでAIに正しいデータと構成を与えてその解決法を学習させても構いません。 このようにして、あらゆる種類の様々な分野で膨大な数の問題解決の機会が広がります。

DeepSeaがこれまで取り組んできた中で最も躍起とならせる問題の一つが、船体汚染を実際に測定することなく、その汚染レベルを把握する方法でした。 船舶に非常に現実的な出来事が起きました。フジツボが船体にくっ付き始めたのです。 これは、船舶の性能に影響を与えますが、さりとて直接測定することはできません。 インテリジェントなAIを使えば、この問題も迅速かつ正確に理解できるのです。

それでは、DeepSeaのAIは、私の船について何を学習するの?

AIの優れた点の一つは、同じ手法や技術を全く異なる分野に対しても適用できることです DeepSeaで非常に上手く転用できた、そのような手法の一つが転移学習です。これは、DeepSeaの場合、基本的にある船舶を別の学習済みの船舶から学ばせることを意味します。

DeepSeaでは、転移学習が適用できるようになり、その結果、データ不足や低品質のデータ、例えば、高周波センサーではなく日報から集めたデータしかない船舶にでも当社の最適化ソリューションを導入することができるようになりました。 どの船舶にも、AIS(船舶自動識別装置)や船舶明細書、日報データなど幾つかの利用可能なデータはありますが、AIをゼロから学習させるには不十分です しかし、我々は、全ての船舶に共通するけれど、船舶に依存しない挙動や動力学および物理学に関わる主要な特性を学習するモデルがあれば、同じ転移学習の手法を使って、そのモデルを取り出し、新しい船舶に移すことが出来ることを発見しました。

DeepSeaのAIは、他社のAIとどのように違うのでしょうか?

海運業界にとってAIは比較的新しい技術であったため、不可避な基礎作業が沢山ありました。そこでDeepSeaは、この作業にあたるAIチームを業界に先駆けて編成しました。

当社の研究は、その活動をいくつかの重要分野に絞っています。 恐らく、実際にお客様にもたらされる成果の中で最も重要なものは、因果関係、即ちどの要素が何に影響したかの理解です これが意味するのは、DeepSeaでは、運航期間にわたって変化する任意の条件(例えば、気象、速度、喫水など)の下で船舶がどの位の燃料を消費するかを予測できるということです。 この要素特定予測は、エネルギー要件、即ち燃料消費を最小化するために、船舶はどの速度でどの航路を取るべきかを把握する上で不可欠です。

この予測は、どんな種類にせよ、特に船舶について、モデリングを試みる殆どの人が失敗する技術分野です。 船舶をモデル化しようとする場合、退治しなければならないありとあらゆる疑似相関が発生します。 あまり高性能とは言えない機械学習モデルは、効果のどの部分がどの要素に因るものかを、必ずしも正しく判断できないでしょう。

私の知る限り、この難題を効果的に解決した唯一の組織が当社なのです。 これは、実際当社のお客様にとって何を意味するのでしょうか? 通常、これらの精緻なモデルは、当社のパフォーマンスルーティングプラットフォームを駆動して、直接、平均8%の燃料節約につなげます。

時として、ルーティング機能無しで航行する場合より燃料消費量が増える場合がある標準的なウェザールーティングのアプローチと真の運航最適化のアプローチの違いは、実はこれらのモデルの違いなのです

DeepSeaを起業したきっかけは?

私のバックグラウンドはディープラーニングの研究です。 ケンブリッジ大学では、特に言語と音声の研究を行いました。 DeepSeaの構想は、会社のもう一人の創設者であるRoberto Coustasと交わした会話の中から生まれました。 私は、「標準的」と言う使い古された方法とは違うAlのアプリケーションを探していました。 Robertoのバックグラウンドは海運関連で、彼自身もAiの研究をしていたので、業界では解決不能と思われていた難題、即ち船舶の完全な挙動予想もAIを使えば可能ではないかと気付いていました。

海運会社には、様々な状況(特に異常気象)の下で燃料消費量がどのように変化するのか正確に予測する能力がなかったため、船体汚染の検出や本当の運航最適化などの作業に悪戦苦闘していました。 その結果、彼等が下す全ての決定には、決定により予想される影響は何かという非常に重要な情報が欠落していたのです。 これを正確に予測できれば、海運会社は、遥かに優れた運航調整が可能となり、燃料費を最小化し、必然的に二酸化炭素排出量と環境への影響も最小レベルに低減できます。 逆に、この予測能力がなければ、膨大な無駄が生じます。 私達は、この予測にディープラーニングを適用すれば、この大問題を実際に解決できるはずだと直感したのです。

AIは全ての問いに答えてくれますか?

残念ながらそうではありません。 AIは、特定の種類の問題、特に予測可能性が低い問題を解決する特殊な技術です。

AIは、人間が関わり合いながら動作させる必要があります。 一方、人間にしか出来ない事もあります。例えば、船舶の場合、船長の任務や、日々の安全管理の決定、エンジンの点検などです。 AIにも知らない事は沢山あります。例えば、海上交通の問題や港湾の複雑な制約、地政学的要素などです。

我々の、そして今日の海運会社の役割は、ある決まったやり方で働くことに慣れ切った人々をAIベ ースの職場に連れて行き、異 なるやり方、即ち彼ら自身のスキル、目標、および洞察の中でAIの力を活用できるやり方で働けるようにサポートすることです。

なるやり方、即ち彼ら自身のスキル、目標、および洞察の中でAIの力を活用できるやり方で働けるようにサポートすることです。

確かに昔の「ブラックボックス」ですね。 はい、それは本当です。これは、AIの大きな課題の一つです(実際、ユーザーだけでなく、研究者や現場の作業者にとっても同様に苛立たしい問題です!)。

問題は、人間にこの技術をインタラクティブに活用してもらいたい場合、AIには、何故そのような提案をしているのかAIの意図について可能な限りの透明性を持たせる必要があることです。 我々の取り組みが目指すものは、この「ブラックボックス」を中で何が起こっているか分かるように「半透明ボックス」に変えることです。

そのツールを使えば、例えばある特定の変更を加えた時、結果としてどれだけの節約になるのか、 何故ある特定の航路が他の航路より最適なのか、と言った問いに対して正確に説明できます。 AIの世界全体でこの「説明可能性」の分野は、実際には研究半ばであり、多くの学術研究の対象となっています。

しかし、完全に理解していない物であっても、正しく動作する保証があり、利用に際しての十分なサポートが得られる限り、その物を信用しても構わないと思います。 現在、我々は、多くの一流大学と共にShiftsプロジェクトと呼ばれる重要なイニシアティブに参加しており、AIの実世界への応用に立ちはだかる幾つかの大きな課題を解決する新しい方法を見出す活動を世界に先駆けて進めています。 当社の増え続ける顧客のリストに加えて、ケンブリッジ大学やジョンホプキンス大学などの大学の学術的支援が得られれば、名だたるAI懐疑派の人たちを我々との議論の席に着けさせるのに十分だと思います。


世界最先端の海運会社は、急激なペースでAIの導入を始めています AIを使って何故、そして何を実現できるのか理解するには、当社のホワイトペーパー、「AI:脱炭素化の秘密兵器を利用する」を今すぐダウンロートしてください。